去る3月25日、大阪市は水道事業の府市統合に関し、「コンセッション型の指定管理者制度」という新たな提案を示した。
これは、大阪市の説明資料によると「『技術的には市案を軸に』しつつ、府議会質疑、検証委員報告、市町村アンケート結果で示されたご懸念を抜本的に解決するため、市がコンセッション型の指定管理者として、府の用水供給事業を包括的に受託することにより、市民・府民に貢献する大阪市案の実現を図る。」というもの。
しかも、3月31日の「知事・大阪市長の意見交換会」で平松市長から、「既に、大阪市会の交通水道委員会で報告し、この方針については概ね了解していただいた。」との発言があったと聞いている。
しかし、ちょっと待てよ!どうも腑に落ちない。疑問だらけである。 まず、
○この間の市町村アンケートの結果では、組織論としては、府案の企業団方式が支持された(27/42団体が支持)にもかかわらず、何故、新たな提案を検討することになるのか?(企業団方式は一体どうなったのか?)
○コンセッション型指定管理者制度は「公設民営」を前提に、公募により受託者を決定するもの。このスキームを水道用水供給事業に適用した場合、水道法、公営企業法、地方自治法などの関係法上に課題は無いのか?
○市の提案では、資産の無償貸与を前提とするなど、今後、府の一般会計に新たな負担(企業債等元利償還金など)が発生する恐れがある。資産の取扱いと経費負担についての考え方は?(府の一般会計への影響は?)
○知事・大阪市長の間で合意されたのは、府市水道事業の「統合」であり、今回の市の提案が「統合」と呼べるものなのか?
○府内市町村にとって水道事業の広域化は喫緊の課題である。今回の提案では、組織的に広域化につながらないのではないか?また、府の広域行政体としての責任は果たせるのか?
○そもそもこの間、「拙速に事を運ぶな」と再三にわたって言って来たにもかかわらず、「今回の提案で合意」といった報道もある。府議会の意見はどういう形で反映されるのか?(議会の意見は聞かないのか?)
などなど、思いつくままに疑問点を拾っても、大きな課題が山積といった印象である。
これまで口をすっぱく言ってきたように、拙速な判断は避け地に足を着けた、きちっとした議論が今必要ではないか。「急がば回れ」「強いては事を仕損じる」と知事に申し上げたい。





