新聞報道は別にして、確かに、庁舎周辺エリアのまちづくり構想は急務である。その際、重ねて議論をしておく必要があるのが、JR森之宮駅東側の再開発だと、私は考えている。再開発といっても、マンションや商業施設の話ではない。府民の生命と健康にかかわる話である。
平成3年に策定された「大阪府新総合計画」を紐解くと、「森之宮健康ゾーン構想の推進」との記載がある。これは、府立成人病センター、(財)大阪がん予防検診センターなどが集中する森ノ宮地区に、新たに「健康科学センター」を整備し、がんをはじめとする生活習慣病の予防から治療に至る一貫した体制を構築しようというものである。
今やこの森之宮地域は、JR環状線と地下鉄中央線に加え、新たに鶴見緑地線が乗り入れて当時よりも格段に交通の便がよくなっている。健康科学センターやがん予防健診センターには、健康相談や健診のために多くの府民が訪れ民間の専門病院も立地し、そして、府立成人病センターは、我が国有数のがん治療の拠点病院として、多くの府民から絶大な信頼を得ている。
ただ、残念ながら、センターの建物自体は見るからに古く、実際狭隘である。このセンターを高度専門医療機関にふさわしい最新設備を備えた病院へ建替えたとしても、文句を言う府民は誰一人としていないだろう。
この府立成人病センターを「不要地」なる所に思い切って移転し新築することも視野に入れてはどうか。あるいは、大手前の「不要地」を売却した財源を活用してセンターを建替えようというのなら、売却を急ぐのも理解されるかもしれない。
いずれにしても、「大手前の一等地に土地を持っていること自体が許されない」「使わない土地はさっさと売ってしまえ」という安易な発想ではなく、どのような形であれ、この土地を府民のため、大阪のために役立てるにはどうすればよいか、このことを基本において考えなければならない。
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